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iPhoneやiPadの何がいいのか?Appleの哲学とマーケティング3.0

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iPhoneの何が良いのか?

iPhoneやiPadが発売して、人々の生活は結構変わった。

しかし今となっては、iPhoneというよりもスマホが世界を変えている。スマートフォンの機能については、iPhoneをはじめとして横並びとなってしまった。UIはまだiPhoneが勝る部分があると考えているが、最近Androidを真面目に触っていないので、もしかしたらそのUIさえもiPhoneが劣っているのかもしれない。

ではiPhoneやiPad等のApple製品は何が良いのだろうか?

iPhoneやiPadが良い!という感覚ではなくて、iOSが入っている端末であるiPhoneやiPadが良い!という感覚に近いのかもしれません。

というのも、iPhoneは端末でも成功していますが、プラットフォームで成功している要素が強いかと思われます。Macが魅力的な製品というのも欠かせない要素です。

Appleにおけるプラットフォームとは何でしょうか?大きく2つあります

  • iTunes
  • AppStore

ちなみにApplePayは今のところプラットフォームにはなり得ないでしょう。なのでこの2つです。

今までiTunesやAppStoreで音楽やアプリをダウンロードしてきた人なら、このプラットフォームを変える煩わしさは体験済みだと思います。これをスイッチングコストと言いますが、物理的にも心理的にもプラットフォームを変えるというのは負担がある。1日もあれば、iTunesの音楽をWindowsに移す事ができ、今まで払った料金をどぶに捨てたと思えば、Androidで再びアプリを購入する事ができるでしょうが、なかなか難しい事です。

このような理由から、もしMacを持っている人が携帯電話を持つとしたらかなりの確率でiPhoneを選択するでしょう。Macを持っていてiPhoneやiPad、もしくはiPod touchも持っていないという人はかなり希かと思います。つまり、それだけMacにとってiPhoneは欠かせない端末なのです。それはMacはiOSというプラットフォームを好むPCになっているからです。

反対に、Windowsを持っている方にとってはフラットにiPhoneなのかAndroid端末なのかを選ぶ事ができるかと思われます。Windowsは携帯端末を選ばないからです。その逆も然りで、どれでもウェルカム。

ということで、iPhoneがいいのではなくて、プラットフォームがいいという話でしたが、もしiPhoneの良さが無くなってしまえば、iPhoneを購入する事はなくなりAndroid端末が選ばれるようになります。

それと同時にMacBookがWindowsPCに追いつかれてしまったのなら、iPhoneも終わりに近いですよね。今のところ、Macをも凌駕するPCは無いと考えていますが、これからMacBookと同様の機種が表れてしまったとしたら、MacとiPhoneの関係性が崩れてしまい、iPhoneの凋落へと繋がりかねません。これから5年10年で今のようなAppleでなくなってしまう想像がついてしまうのが何か悲しいところ。昔のAppleに後戻りなんでしょうか。


哲学がなくなりつつあるApple

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スティーブジョブズは本当に偉大だったのかもしれません。Appleの危機を救ったのは、スティーブジョブズである事は誰もが認める事でしょう。そして彼がいた頃のAppleには哲学があった。

Appleの哲学とはスティーブジョブズの哲学を指しています。彼がCEOとして、そしてプレイヤーとして製品化の先頭に立っていた。

哲学とは難しい物で、その人の思いをかなり反映している。他の人の声なんて聞こえないのではないだろうか。つまり、「オレはこういうものが作りたいんだ。誰が否定しようとも、オレが作りたい製品こそがNo.1である。」という心だと思う。もちろん一般人がこんな事を言っても戯言にしかならないだろう。ビジネスにおいて100人中100人の哲学が通用(成功)するとは限らない。

しかしながら今回のiPhone6/6+の発売を受けて、完全にその哲学が無くなった事が見て取れます。それはマーケティングを必要以上に取り入れてしまった事が挙げられる。

iPhone6や6+の大型化は誰かが望んでいたものかもしれない。そしてその発売初速は5sをも上回るという。それは当たり前のことなのかもしれない。なぜかというと市場が欲しい物にマッチした物をAppleが提供しているからである。そして、中国へのiPhone6の発売がまだであるのも、中国ではこのiPhone6がかなり売れるという見込みから、発売時期をずらしていると考えられる。よって、iPhone6は中国にも焦点を当てられて作られた製品と言っても良い。完全にマーケティング2.0である

「マーケティング3.0」

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(写真はマーケティングの神様、フィリップ・コトラー)

Appleが、人々の嗜好に合わせて動いているのは、マーケティング2.0であると言ったが、このマーケティング2.0は、人々のニーズに合わせて企業が製品を作る事を意味している。ちなみにマーケティング1.0は、大量生産大量消費。作りまくれば、売れるのだ!という、昔の日本を含めて発展途上国によくあるものです。

そしてマーケティング3.0とはなんでしょうか?マーケティング3.0とは、人々の共感が取り入れられたマーケティングです。人々のニーズにマッチさせても売れなくなる物も出てきました。だからこそ人々の共感を得る事で、商品を売ろうというものです。そこには商品を売ろう!という意味合いはもう少し意味合いが薄くて、その会社(その使っている人や社長)が好きだからこそ、その製品を買いたいのだ。という衝動を駆り立てるものなのです。

よく言われる「ステマ」というものがこのマーケティング3.0のブラックな部分かと思われます。アメブロで芸能人が、自分が本当に良いと思った商品を紹介していました。が、実はそれはお金を貰って商品を"宣伝"している事がバレてしまいましたね。つまり、人々の共感を変に得ようとしてしまったのです。最悪です。

過去にラジオ番組でSMAPの香取君が、ミニストップのアイスクリームがまじで美味いという話をしました。いくらミニストップが頑張ってアイスクリームを作って、そしてマーケティングをやっても売れなかったアイスクリームが、香取慎吾の一声で爆発的に売れるようになりましたが、あれは自然に起こったマーケティング3.0でしょう。テレビCMで香取慎吾がミニストップのアイスを宣伝しても同じような効果は得られなかったでしょう。そこがとても面白いところですよね。成熟した市場は人々の共感で動いているのです。

話を元に戻して今までのAppleのマーケティング3.0というのは、例えばApple信者と呼ばれる人々なのではないでしょうか?なぜAppleが好きになったのかは人それぞれかと思います。スティーブジョブズに憧れたりとか、Appleの先進的なデザインが好きだとか。そこから何が何でもAppleが好きなんだ!ということで、Apple製品を購入する事に繋がっているかと思います。ガジェットの発表で人々が熱狂的になれる製品って今でもAppleだけなんですよね。日本は夜中にも関わらず、多くの人々がパソコンの前で、
「iPhoneキターーーーーー!」なんて叫ばれているイベントはAppleだけ。笑


マーケティング2.0に戻ったApple

ということでジョブズがいなくなり、哲学が無くなったAppleは何をしたかというとマーケティングリサーチをしてしまった。中間層そして富裕層が増えている中国等のアジアを筆頭に、今のトレンドをも追ってしまった。人々の共感から作り上げてきたApple製品ではなくて、人々が買いそうな物を作るApple製品と成り下がって(?)しまった。

もちろん、Appleは企業であるので利益をいかにして獲得していくのかは重要な問題である。

ただし、ティムクックCEO率いるAppleにはそんな気は毛頭ないらしい。

去年やや有名になった話で、株主が目先の利益を欲しがるような発言をしたら、ティムクックが珍しく怒りをあらわにしたという記事である。そんな考えがあるならば、Appleの株を今すぐにでも手放せ!と怒るティムクックであるが、彼は本当に中長期的な戦略を持ってiPhoneやiPad等の製品、そしてプラットフォームを作っているのだろうか?彼こそが目先の利益にとらわれているのではないだろうか?

ただ、iPhone(スマホ)という商品自体があまりにも市場に浸透しすぎているし、これから新たにイノベーションが付加されたiPhoneを作っていく事も難しいので、考えを転換してiPhoneをもっと人々の手に入りやすいような商品にしてしまったのかもしれない。

iPhoneでイノベーションを起こすのが難しいという記事


ということで、人々が欲しいという物をも作るAppleであり、それでも人々を良い意味で裏切ってくれる商品やサービスをこれからもリリースしてくれることを望みたい。


まとめ

iPhoneはもはやAppleの手から離れて、自分たちの生活になじみ深い製品となってしまった。その事を受けて、AppleもiPhoneをもっと売れるような施策を打ってくる。今後は、スマートフォンやタブレットにおいて、Apple製品でなくてもよいという考えが自分の中にも芽生えてくるかもしれない。スマホという製品がコモディティ化しても尚、Apple製品VS他社Androidという構図を取る事ができるAppleは本当に素晴らしい。過去の日本は、このコモディティ化を流れるように受け止めて、当たり前だが商品のシェアを下げてきた。それをさせないAppleは素晴らしいのだが、やはりスマホのコモディティ化の波をAppleも受け止めきれないところまできている。

これから数年以内にiPhoneのシェアが劇的に下がる事も予測できてしまうのは寂しいところだが、それでもAppleには革新的な物をこれからも作ってほしい。


そして、僕はiPadminiの最新版を買うことを決めつつ、iPhone6+の購入を見送る(様子見する)事にした。
ちなみに、白黒写真で誤解をうんでしまいそうですが、ジョブズは亡くなっていますが、コトラーはご存命です。

では